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蓄電池の種類と選ぶ際の基準、太陽光発電装置と組み合わせるメリットを解説

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蓄電池の種類と選ぶ際の基準、太陽光発電装置と組み合わせるメリットを解説

太陽光発電装置で発電した電力を災害時や停電時のために蓄えたり、効率的に売電収入を得たりするためには蓄電池が必要です。この記事では、蓄電池を購入するうえで知っておきたい種類や選び方など、蓄電池に関する知識をまとめました。蓄電池を購入する際の参考にしてください。

蓄電池の種類

蓄電池は用いられている活物質や電解質により、いくつかの種類に分けられます。主な蓄電池の種類としては、以下のようなものがあります。

鉛蓄電池

鉛蓄電池は負極活物質に鉛、正極活物質に二酸化鉛、電解液に希硫酸を用いた蓄電池です。発明されたのは1859年と蓄電池の中では最も古い歴史を持ち、今でも自動車のバッテリーや非常用電源など、生活のさまざまな場所で使われています。

特徴としては過充電に強いこと、動作温度の範囲が広いこと、また電力容量あたりの単価が低く経済的であることなどがあげられます。一方で、過放電には弱く一度起こってしまうと性能がもとには戻らなくなること、また電解液として希硫酸を用いているため、蓄電池自体が破損してしまうと液が漏れ出て危険なことに注意が必要です。蓄電池の寿命を示すサイクル数(1回の充放電を1サイクルとして、何回充放電できるかを示す指標)は、およそ3,150とされています。

ニッケル水素電池

ニッケル水素電池は負極活物質に水素吸蔵合金、正極活物質にオキシ水酸化ニッケル、電解液に水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液を用いた蓄電池です。過充電や過放電に強いという特徴を持ち、充電速度も速いことから蓄電池としての性能は高く、ハイブリッドカーの蓄電部などで使用されています。

一方で、継ぎ足し充電(電池を使い切らず容量が残っている状態で充電すること)を繰り返すと、充電を繰り返した付近で電池電圧が一時的に低下するメモリー効果が起こることがあります。また、電池切れになったニッケル水素電池をそのまま放置してしまうと、終止電圧(電池切れになる電圧)を下回り完全放電状態になります。こうなってしまうと電池に大きな負荷がかかり、寿命を縮めてしまう点に注意が必要です。サイクル数はおよそ2,000とされています。

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は負極活物質に炭素材料、正極活物質にリチウム含有金属酸化物、電解液に有機電解液を用いた蓄電池です。 ニッケル水素電池の欠点であったメモリー効果が小さく、小型で高密度化が可能、さらに小型化しても高い電圧を供給できるという特徴があり、携帯電話をはじめとするモバイル機器のバッテリーとしてよく使われています。

一方で、過充電や過放電に対してはそれほど強くなく、保存特性は鉛蓄電池やニッケル水素電池のほうが優れていることに留意しましょう。サイクル数はおよそ3,500とされています。

NAS電池

NAS電池は負極活物質にナトリウム、正極活物質に硫黄、電解質にファインセラミックスを用いて、硫黄とナトリウムイオンの化学反応で充放電を繰り返す蓄電池です。 日本のメーカーが世界で初めて実用化した蓄電池として知られており、大容量で高エネルギー密度、長寿命という特徴があります。鉛蓄電池の約3分の1というコンパクトなサイズにも関わらず、メガワット級の電力を蓄えることができ、長期に渡って安定した電力供給を行うことができます。サイクル数はおよそ4,500とされています。

蓄電池の耐用年数については、以下の記事でも詳しく説明しています。ぜひあわせてご確認ください。

※「#54」へのリンク入ります

蓄電池を選ぶ基準

蓄電池を選ぶ際は種類だけでなく、蓄電容量や耐久性など踏まえて選ぶことが重要です。それぞれの基準について、以下にまとめました。

蓄電容量

蓄電池を選ぶ際は、まず蓄電容量から確認しましょう。蓄電池の容量が大きいほど多くの電力を蓄えることができるため、特に太陽光発電など昼間に蓄えた電力を夜に使いたいといったケースでは利便性に大きく関わる基準です。容量が大きくなればそれだけ価格も上がりますが、一方で1kWhあたりの単価は下がるためコストパフォーマンスに優れることになります。

耐用年数

長期にわたって使うためには、蓄電池の耐用年数もしっかりとチェックしたい基準です。蓄電池の寿命はサイクル数によって決まり、この数字を超えると蓄えることのできる電力量が少しずつ減っていきます。サイクル数に対する使用可能期間は使い方にも大きく左右されますが、およそ1日1サイクルを目安とするといいでしょう。4,500サイクルの蓄電池の場合、使用可能期間は15年程度が目安となります。

サイズ

蓄電池を導入する際はサイズを確認することも重要です。蓄電池には屋外に設置することを前提とした大型のものから、室内にも設置できる小型のタイプまでさまざまなものがあります。導入前にしっかりと採寸し、設置場所を決めておく必要があります。

太陽光発電装置として使用可能かどうか

太陽光発電の蓄電池として利用する場合は、当然ですが使用している発電装置と連携が可能かどうかもチェックする必要があります。太陽光発電装置と蓄電池を組み合わせることで、発電した電力を売電したり、自家消費したりする際の利便性が高まります。太陽光発電を使用している場合は、事前に蓄電池の販売事業者に確認しておくといいでしょう。

太陽光発電装置と蓄電池を組み合わせるメリット

太陽光発電装置と蓄電池は非常に相性がいいとされており、発電装置を導入する際に合わせて蓄電池を検討する人も少なくありません。太陽光発電装置と蓄電池を組み合わせることで、以下のようなメリットが生まれます。

夜間に使用し節電する

太陽光発電システムに蓄電池を加えることで、日中に発電した電力を夜間に使うといった運用が可能になります。一般的な家庭では夕方〜就寝までの時間帯に多くの電力を消費するため、この時間帯に太陽光発電で作った電力を使用することで買電量を抑え、節電につなげることができます。

卒FIT後の対策として有効

FIT制度は太陽光など再生可能エネルギーで発電した電力を一定期間、市場より高い価格で買い取ってくれる制度です。太陽光発電装置を導入して売電収入を得ている人にとってはおなじみとも言える制度ですが、適用される期間は10〜25年と限りがあります。

FIT制度の適応終了後(卒FIT)は、そのまま売電を続けることもできますが、自宅やマンションの共用部分などで自家消費して買電量を抑え、電気料金を節約するのもおすすめの運用方法です。この際に蓄電池を導入していれば、日中に蓄えた電力を夜間に消費したり、また雨の日に消費したりといった使い方が可能になります。

災害時の非常用電源として使える

蓄電池を導入していれば、万一台風や地震などの自然災害で停電になっても、電気機器をそのまま使うことができるメリットがあります。太陽光発電装置単体でも災害時の非常用電源として使うことは可能ですが、曇りや雨の日、また夜間などは発電できないため、天候や時間帯に大きく左右されることになります。そのため、災害時の非常用電源として利便性を考えると、蓄電池の導入は必須と言えるでしょう。

蓄電池は太陽光発電と組み合わせられる

蓄電池を導入すれば、太陽光エネルギーで発電した電力を災害時の備えとしたり、卒FIT対策としたりと活用の幅が広がります。こうした意味では、蓄電池は太陽光発電との相性がよいと言うことができるでしょう。太陽光発電を検討している方は、ぜひ蓄電池の導入も合わせて検討してみてはいかがでしょうか。