太陽光発電のメリットとデメリット、見逃しがちな設置後の課題も解説!
電気代の節約や売電収入など、太陽光発電の設置にはさまざまなメリットがあります。しかし、設置を検討する際、デメリットが気になる人も多いのではないでしょうか。太陽光発電を設置したあとに後悔しないためにも、デメリットにも目を向けておくことが大切です。また、設置して何年もたってから見えてくる課題もあります。太陽光発電はメリットとデメリット、将来的な課題も把握したうえで、設置を検討しましょう。
太陽光発電とは
太陽光発電とは、太陽光をエネルギー源として電気をつくる発電方法です。太陽光が当たる場所なら基本的にどこでも設置できるため、企業や一般住宅で導入するケースが増えています。また、太陽光発電で生み出された電力は売ることも可能です。ここでは、太陽光発電の特徴や種類などを解説します。
太陽光発電の特徴
太陽光発電は太陽光を受けて電気エネルギーを生み出す仕組みで、CO2をほとんど排出しない再生可能エネルギーとして注目されています。店舗や駐車場などの空きスペース、ビルやマンションの屋上など、さまざまな場所に設置が可能です。太陽光だけで発電できるため、気軽に導入できるシステムといえます。ただし、悪天候の日や夜間など、太陽光が出ていない環境では発電できません。
住宅用と産業用の違い
太陽光発電には、住宅用と産業用があります。容量が10キロワット未満の太陽光発電は住宅用、10キロワット以上のものは産業用と区分されています。
太陽光発電で生み出された電力は、国が行っている固定価格買取制度(FIT)を通じて売ることが可能です。その際、住宅用と産業用で買取価格が異なります。2022年度の1キロワットアワーあたり調達価格は、住宅用(10キロワット未満)が17円、産業用(10キロワット以上50キロワット未満)が11円、産業用(入札制度対象外50キロワット以上)が10円となっています。
ただし、住宅用太陽光発電や産業用でも50キロワット未満の太陽光発電は、家庭や企業などで使った電力の余った分のみ売ることができる余剰売電が適用されます。全量売電を行うには、50キロワット以上の産業用太陽光発電を設置しなければなりません。
太陽光発電を設置するメリット

太陽光発電のメリットはすでに広く認知されていますが、あらためてどのようなメリットがあるのか、見てみましょう。
電気代を節約できる
太陽光発電により発電した電力を活用することで、電力会社からの買電量を減らせます。当然、電気代も下がるので、電気代の節約に効果的です。燃料費の高騰などで電気料金が上がる傾向にあるため、今後はますます電気代の節約効果が高まる可能性があります。
売電収入を得られる
家庭で使った電力が余った場合は、FIT制度を活用して電力会社に買い取ってもらうことが可能です。住宅用なら10年間は固定価格で、10キロワット以上の産業用なら20年間、固定価格が保証されます。
災害時にも電力を確保できる
災害などで停電した場合でも、太陽光発電があれば非常用電源として活用できます。太陽が出ている日中なら太陽光発電だけで電力をまかなえますし、蓄電池も併用すれば夜間も電気の使用が可能です。災害で停電した場合は復旧までに数日から1週間程度かかることもあるため、その間、家庭や店舗などで電力を確保できれば安心です。
補助金を活用できる
太陽光発電を導入する際には、補助金を活用できる可能性があります。例えば、東村山市では2022年7月現在、住宅用太陽光発電の設置費用として1キロワットあたり3万円が支給される補助金制度を実施中です。このような補助金制度は全国各地の自治体で実施されています。補助金を受けるには条件があるため必ずしも利用できるわけではありませんが、太陽光発電を設置する際に活用できる補助金制度がないか調べてみるとよいでしょう。
環境問題に貢献できる
太陽光発電は発電する際にCO2をほとんど排出しないため、温室効果ガスの削減につながると期待されています。温室効果ガスの削減は世界的な課題です。太陽光発電を設置することで、世界的な環境問題に貢献できるのです。
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太陽光発電のデメリットと解決策

次に、太陽光発電のデメリットについて、解決策とともに解説します。
設置費用がかかる
資源エネルギー庁の資料によると、2021年設置の住宅用太陽光発電の設置費用は1キロワットあたり平均で28万円でした。費用の内訳はソーラーパネルが約60%、工事費が約25%を占めました。仮に、5キロワットの太陽光発電を設置した場合、140万円程度の費用がかかることになります。
設置費用は年々下がっている傾向ですが、費用帯効果はどのくらいあるのか検証することが大切です。また、補助金を活用するなど、できるだけ設置費用の負担を少なくする方法も検討しましょう。
メンテナンス費用がかかる
太陽光発電には、メンテナンスや点検、修繕、交換費用もかかります。ソーラーパネルは発電容量の維持や安全性確保のため、3~4年ごとに点検が必要です。点検費用の相場は1回あたり約2.9万円となっています。また、パワーコンディショナーは20年に1回が交換の目安です。
これらの費用をまかなうためには、売電収入の一部をメンテナンス費用として積み立てておくことが大切です。年間の運転維持費は1キロワットあたり約3,690円とされているので、毎月300円程度をメンテナンス費用として積み立てておくとよいでしょう。
悪天候で電力不足になることがある
太陽光発電は雨や曇りの日は発電量が少なくなるため、十分な電力を確保できない可能性があります。悪天候でも十分な電力を確保するためには、蓄電池の導入がおすすめです。蓄電池を併用すれば、発電量が少ない日や夜間でも電力をまかなえます。
太陽光発電を設置したあとの課題
太陽光発電を設置して何年もたってから見えてくる課題もあります。
FIT期間終了後
FITによる買取は住宅用で10年間、産業用で20年間となっているため、期間終了後の余剰電力をどうするかが課題です。FIT期間終了後の余剰電力の使い道は二つあります。一つは、蓄電池を設置して、発電した電力をすべて自家消費する方法です。ただし、蓄電池を導入するためには費用がかかります。
また、FIT期間終了後に電力を買い取ってくれる売電先を探し、自由契約により売電を続ける方法もあります。FIT期間中よりも売電価格は安くなりますが、新たな投資をする必要なく余剰電力を有効活用することが可能です。
ソーラーパネルの寿命
ソーラーパネルは経年劣化により徐々に発電効率が下がってきます。ただし、定期的なメンテナンスにより、発電効率の低下を予防することは可能です。ソーラーパネルの法定耐用年数は17年とされていますが、実際には約25~30年くらい使用できるといわれています。
また、ソーラーパネルの寿命が来たら撤去しなければなりません。その際、撤去費用がかかります。撤去費の相場は約10万円、さらに運搬費と処分費で約5万円必要です。将来、撤去するための費用がかかることもふまえて、メンテナンス費用とともに積み立てておくとよいでしょう。
太陽光発電の設置は長期的な視点で

太陽光発電の設置には費用がかかるものの、電気代の節約や売電収入などのメリットがあります。特に、FIT期間中は余剰電力を固定価格で買い取ってもらえるため、一定の収入が見込めるでしょう。しかし、太陽光発電による発電量を維持するには、定期的なメンテナンスが必要になります。また、10~15年ごとにパワーコンディショナーの交換も必要です。最終的には、ソーラーパネルの撤去や交換も必要になるため、太陽光発電を設置するなら長期的な視点で検討することが大切です。
