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太陽光発電装置はメンテナンスが不可欠!維持費と点検内容を詳しく解説

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太陽光発電装置はメンテナンスが不可欠!維持費と点検内容を詳しく解説

一般的に太陽光発電装置はメンテナンスの手間がかからないと言われています。しかし、実際は完全にメンテナンスフリーというわけではなく、発電効率を維持するためには定期的な保守点検が必要です。この記事では、太陽光発電装置を設置した後に必要なメンテナンスの内容や維持費についてまとめました。

太陽光パネルのメンテナンスは義務

太陽光発電装置は、風力やバイオマスなど他の再生可能エネルギー発電装置と比べると、メンテナンスの手間がかからないとされています。そもそも太陽光パネルは屋外に設置されるものなので、厳しい自然環境にも耐えるよう作られているのです。

太陽光パネルの法定耐用年数は17年とされています。しかし、これはあくまで法定耐用年数であり、17年を超えても問題なく稼働するケースがほとんどです。具体的な寿命はパネルの種類によっても変わりますが、台風などの外的要因で破損しない限り、25〜30年を超えてもまだ発電が可能な場合もあります。

このように、太陽光パネルは頑丈に作られており、長期間に渡って使用できるものです。ただ、長期間使えるといってもその間完全にメンテナンスフリーというわけではなく、定期的に清掃や保守点検などを行う必要があります。

2017年にはFIT法が改正され、太陽光発電装置のメンテナンスが義務化されました。太陽光発電のメンテナンスを怠ってしまうと、事故が発生するリスクが高まるためです。最悪のケースではFIT認定の取り消しになり、売電権利を失う場合もあるため注意が必要です。

具体的なメンテナンスの内容と時期については、一般社団法人日本電機工業会と太陽光発電協会がまとめた「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」が役立ちます。

太陽光パネルの点検内容と時期

・日常点検(毎月 1 回程度、および地震、台風、悪天候、火災、落雷などの後)
システム所有者または専門技術者などにより、一般的なサイト目視検査を行う

・設置して1年目の点検
専門技術者による機器、部材およびシステムの初期的な不具合の確認と必要な補修作業
この時期に施工上の不具合やシステムの初期不良を発見することが、長期間の運転を維持するうえで重要

・設置して5年目の点検
専門技術者により、機器または部材の劣化、破損状況の確認、必要な補修作業を行う
機器メーカーによって精密点検が設定されている場合は別途実施する

・設置して9年目の点検(以降4年ごとに実施)
専門技術者により、機器または部材の劣化、破損状況を確認、必要な補修作業を行う
機器または部材の保証期間を確認、機能の確認または消耗部品(メーカーが指定する部品)の交換
設備更新時期の検討

・設置して20年目の点検(以降4年ごとに実施)
専門技術者により、機器または部材の劣化,破損状況の確認、必要な補修作業を行う
点検内容を確認し、設備更新時期の検討を行う

【参考】太陽光発電システム保守点検ガイドライン | 一般社団法人日本電機工業会、太陽光発電協会

太陽光パネルの寿命については、以下の記事でも詳しく説明しています。

※「#28」へのリンク入ります

太陽光発電の耐用年数については、以下の記事でも詳しく説明しています。ぜひあわせてご確認ください。

※「#27」へのリンク入ります

メンテナンスを怠ると最悪のケースも

太陽光発電装置のメンテナンスが必要なのは、義務化されているからという理由だけではありません。メンテナンスを怠ると発電量の減少やパネルの破損・故障などにつながることもあるため注意が必要です。

太陽光発電装置は屋外に設置するため、常に風雨にさらされ、砂や埃、鳥のフンなどが付着しやすい環境にあります。こうした汚れが付着すると、パネル内部のセルにまで太陽の光が届きにくくなり、発電効率が悪くなってしまいます。その結果、せっかく太陽光パネルを設置したのに発電量が伸びず、想定していたほど売電収入が得られなくなるケースもあるのです。

また、定期的にメンテナンスを行っていないと、パネルの破損や故障にも気づきにくくなってしまいます。特にマンションの屋上に太陽光パネルを設置しているようなケースでは、雨風により架台が劣化してしまえば、台風などの強風でパネルが吹き飛ばされてしまう危険性もあります。また、万一パネルやケーブルのメンテナンスを怠って火災が発生してしまえば、大規模な被害が出ることにもなりかねません。

太陽光発電装置のメンテナンスは、機械の性能を引き出して売電収入を得るだけでなく、安全性の面からも重要であると言えます。

太陽光発電装置の維持費の相場

太陽光発電装置は非常に耐久性の高い装置ですが、安全面を考えると定期的なメンテナンスが欠かせません。それでは、具体的にどのくらいの維持費がかかるのでしょうか。

資源エネルギー庁が2021年にまとめた「調達価格等に関する報告」によると、太陽光発電装置のメンテナンス費用の目安は、10〜50kW未満の場合で年間およそ0.53万円/kWとされています。ただし、この数字はあくまで平均値であり、太陽光パネルの設置場所や周辺環境により大きく変わることに留意する必要があります。定期点検やメンテナンスにかかる費用の目安は、以下のとおりです。

定期点検

先にご紹介したとおり、FIT制度の適応を受けて売電収入を得ている場合は、定期点検が義務付けられています。定期点検では、太陽光パネルや発電装置に不具合が発生していないか、発電効率が維持されているか、また安全性が保たれているかどうかなどを目視や測定器を用いてチェックします。定期点検にかかる費用は1回あたり、1~3万円ほどが目安となっています。

太陽光パネルの清掃、周辺の除草

太陽光パネルは屋外に設置するため、砂や埃、鳥のフンなどが付着します。発電効率を維持するためには、年2〜3回ほどの清掃が必要となります。パネルの清掃費の目安は、1枚あたり500~1,000円程度です。また、太陽光発電装置を設置する場所によっては、定期的な除草も必要です。除草作業の目安は1平方メートルあたり50~150円程度です。

パワーコンディショナー

パワーコンディショナーとは、太陽光により発電した電気を家庭などの環境で使用できるよう変換する装置です。インバーター、もしくはラインコンディショナーと呼ばれることもあります。パワーコンディショナーは15〜20年ごとに交換が必要とされており、この費用も維持費用に含める必要があります。買い換え費用は5.5kWのパワーコンディショナー1台につきおよそ20~30万円程度、修理の場合は3万円前後が目安です。

保険

太陽光発電を行う場合は、万一のケースに備えて火災保険・動産総合保険や賠償責任保険に加入しておくことをおすすめします。特に、自然災害により被害を受けた場合、メーカー保証は適用されないことが一般的なので注意が必要です。また、売電収入により利益を得ている場合は、休業補償保険や出力抑制保険なども加入しておくと安心です。

保険料は保証内容によっても異なりますが、動産総合保険では初期費用の2.5~3.5%程度、そのほかの保険は初期費用の0.3~3.0%くらいになると言われています。

メンテナンスは高い利益を生むためにも重要

太陽光発電装置のメンテナンスは義務化されています。そのため、設置を検討する際にはメンテナンス費用がいくらかかるのかも把握しておくことが大切です。メンテナンスは装置の破損や故障を防ぐだけでなく、発電効率を改善し高い利益を生み出すためにも重要です。長期間に渡って安全に発電装置を使用するためにも、信頼のおけるメンテナンス業者に依頼し、しっかりと保守点検を行っていきましょう。