電気代の節約や災害時の備えとして、蓄電池の設置を検討している人も多いでしょう。また、現在太陽光発電による売電収入を得ていてFIT期間の終了が近い場合は、卒FIT対策としても有効です。しかし、実際に購入するとなると高額な購入・設置費用がかかります。蓄電池にはデメリットもあるため、購入前によく検討することが大切です。今回は、本当に蓄電池は必要なのか、どのようなメリットがあるのかなどを解説します。
家庭に蓄電池は必要?
蓄電池は、徐々に一般家庭にも普及してきています。しかし、容量が大きいものは高額な費用がかかるため、購入するべきか迷っている人もいるでしょう。ここでは、蓄電池の普及率や必要性について解説します。
家庭用蓄電池とは
蓄電池とは、充電して電気を貯めておくことができる電池のことです。近年、記録的な大雨による土砂崩れや川の氾濫などが全国各地で多発しており、災害に伴う停電も多くなっています。蓄電池は非常用電源として注目されており、災害対策として購入する人が増えています。
家庭用蓄電池には、設置型やポータブル型、太陽光発電との連携が可能なタイプなどがあります。停電時に家庭内の電力をまかないたい場合は、一般住宅向けに販売されている5~10kWhの定置型を購入するのが一般的です。容量が大きい定置型蓄電池なら、電力会社から購入して電気を貯めておき、冷蔵庫やエアコンなどの電力をまかなうことができます。また、太陽光発電との連携が可能なタイプなら、太陽光発電で発電した電力を貯めておくことも可能です。
一方、ポータブル蓄電池は持ち運びが可能なので、キャンプや避難所などで使用するのに適しています。設置工事も必要ないため、比較的低価格で購入できます。ただし、定置型と比較して容量が小さいため、大型家電の電力をまかなうことはできません。また、太陽光発電と連携させて電気代の節約に利用するといった使い方にも不向きです。そのため、家庭用蓄電池は目的や使い方によって、種類を選ぶ必要があります。
蓄電池の普及率
蓄電池は年々出荷台数が増えており、一般家庭でも普及が進んでいます。一般社団法人日本電機工業会が公表している「JEMA 蓄電システム自主統計」の資料によると、定置用LIB蓄電システムの2021年度の出荷台数は約13万台、累計出荷台数は62万台でした。2011年度からの出荷台数の推移は次のとおりです。
2011年度:1,939台
2012年度:11,449台
2013年度:16,559台
2014年度:23,716台
2015年度:37,560台
2016年度:34,569台
2017年度:49,481台
2018年度:73,594台
2019年度:115,000台
2020年度:126,925台
2021年度:133,759台
蓄電池は必要か
蓄電池が普及してきた理由として、FIT期間が終了した世帯が出てきたことが挙げられます。FITとは、太陽光発電で発電した電力を固定価格で売電できる制度です。家庭用太陽光発電の場合、10年間固定価格で売電できます。FIT制度は2012年7月に開始されたため、2022年7月から順次買取期間が満了になっています。 FIT期間満了後に太陽光発電を活用する方法のひとつは、これまで売電していた電力をすべて自家消費に回すことです。太陽光発電の電力を24時間使用するには、蓄電池の設置が欠かせません。そのため、蓄電池の購入を検討する人が増えているのです。 また、近年多発している災害による停電も蓄電池の普及に影響していると考えられます。便利なツールや家電が一般家庭に広く普及し、今や電力は基本的な生活を維持するのに欠かせないものになっています。蓄電池があれば停電した際も生活に必要な電力を確保することが可能です。 →16_「マンション 蓄電池」、56_「太陽光発電 蓄電池 マンション」へリンク