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太陽光発電は今後どうなる?売電の現状やこれから太陽光発電を導入するメリット

  • ESG投資
太陽光発電は今後どうなる?売電の現状やこれから太陽光発電を導入するメリット

再生可能でエコなエネルギーとして注目を集めている太陽光発電。当初はその目新しさやFIT制度による優遇制度が大きく取り上げられました。しかし、現在は普及が進み一般的な存在になったこともあり、太陽光発電のあり方自体が少しずつ変化してきています。FIT制度の現状や、今から太陽光発電を導入するメリットなどをまとめました。

FIT制度における太陽光発電の買取価格

太陽光発電の今後を考えるうえでは、まずFIT制度の現状について把握することが重要です。FIT制度とは「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「バイオマス」の5つの再生可能エネルギーを利用して発電した電力を、電力会社が一定期間、固定価格で買い取ることを義務付けた制度です。そのため、FIT制度は固定価格買取制度とも呼ばれています。

FIT制度による電力の買取価格は一般的な市場価格より高く設定されているため、事業者は発電装置の設置コストを回収しやすくなることがメリットです。さらに、余剰電力を売電することで、長期的に収入を得られるというメリットも生まれます。こうした事情もあり、FIT制度は太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの普及に大きく貢献してきました。

しかし、近年は再生可能エネルギーの普及が進み、自宅や所有する不動産、また自社工場などに発電装置を導入する人も増えてきました。そのため、FIT制度による電力の買取価格は2012年の制度開始時に比べ、毎年少しずつ下がっているのが現状です。参考までに、2012年から2023年までの太陽光発電における固定買取価格の推移は以下のようになっています。

【太陽光発電における固定買取価格の推移(10kW未満)】
2012年:34円/kWh
2013年:31円/kWh
2014年:30円/kWh
2015年:29円/kWh(ダブル発電・余剰買取、出力制御対応機器設置義務あり)
2016年:27円/kWh(ダブル発電・余剰買取、出力制御対応機器設置義務あり)
2017年:27円/kWh(ダブル発電、出力制御対応機器設置義務あり)
2018年:27円/kWh(ダブル発電、出力制御対応機器設置義務あり)
2019年:26円/kWh(出力制御対応機器設置義務あり)
2020年:21円/kWh
2021年:19円/kWh
2022年:17円/kWh
2023年:16円/kWh
【参考】FIT・FIP制度 | なっとく!再生可能エネルギー

上記の通り、制度開始当初は1kWhあたり34円だった買取価格は、2023年には半額以下の16円にまで下がっています。今後も太陽光発電装置が普及し導入する人が増えることは間違いなく、買取価格はさらに下がることが予測されます。また、FIT制度終了後は買取価格がさらに大きく下がることを考えると、売電収入を得るために再生可能エネルギーの発電装置を導入するメリットは薄れてきているといえるかもしれません。

マンションにおける太陽光発電については、以下の記事で詳しく説明しています。ぜひあわせてご確認ください。

※「#7マンション太陽光発電」へのリンク入ります

これから太陽光発電を導入するメリット

売電価格は下落傾向にあるものの、地球温暖化や化石燃料の枯渇などのエネルギー問題を抱える現代において、太陽光発電は大きな注目を集める次世代のエネルギーであることに変わりはありません。太陽光発電を導入するメリットは、売電以外にも以下のようなものがあります。

設備の設置価格の低下

太陽光発電は今も高い注目が集められており、太陽光発電システムや太陽光パネルについての研究も進められています。まだ実用化には至っていないものの、発電効率の高いパネルや変換効率の高いシステムの開発も進められている状況です。将来的にはこれまでよりも小さなスペースで、より多くのエネルギーを生みだすことが可能になるでしょう。こうした技術が定着すれば、1kWhあたりの売電価格が下がっても、それをカバーできる量の電気を生みだすことが可能です。

自家消費により電気料金の値上げ対策に

太陽光発電により生み出された電力は、電力会社に売るだけでなく自家消費するという方法もあります。近年はエネルギー価格が高騰していることもあり、低い価格で売電するよりも自家消費に回したほうがトータルで電気代を抑えることが可能になるかもしれません。特に、不動産投資の一環としてマンションやアパートの屋上に太陽光パネルを設置しているケースでは、発電した電気を廊下やエントランス、エレベーターなどに回すことで、月々の支出を抑えることが可能になるでしょう。

マンションの価値を高める

近年は環境意識の高まりもあり、屋上に太陽光発電システムを設置したり、エネルギー効率の高さを謳い文句にしたりするマンションも増えてきました。こうしたマンションは環境に配慮しているというだけでなく、月々の電気代を節約でき、快適に過ごせることから高い人気があります。環境問題に配慮し、エネルギー効率の高いマンションは、ブランドマンションとして人気を集め、物件自体の価値を高めてくれる効果も期待できます。

太陽光発電のメリットについては、以下の記事で詳しく説明しています。ぜひあわせてご確認ください。

※「#22太陽光発電メリット」へのリンク入ります

太陽光発電の今後はどうなる?

現在、太陽光発電システムの導入を検討している人にとっては、今後の見通しが気になるのではないでしょうか。ここでは、太陽光発電の将来を見通すうえで知っておくべき3つのトピックをご紹介します。

蓄電池の導入による利便性向上

太陽光発電は再生可能エネルギーの中では導入しやすく優れた発電方法ですが、夜間や悪天候の時には発電ができないという欠点があります。蓄電池はこの欠点を補うもので、太陽光発電システムと併用することで、夜間や悪天候時でも太陽光発電システムで生み出した電気を使うことが可能です。発電した電力を余すことなくフル活用できるため、さらなる電気代の節約になります。

また、蓄電池を導入することで、地震や台風などの災害により停電が起こった場合でも自宅やマンションに電力を供給することができます。そのため、災害対策としても注目が高まっているのです。発電できない時間帯のある太陽光発電と、電気を蓄えておける蓄電池は非常に相性がよく、組み合わせることでさまざまな使い方が可能になります。

FIT制度からFIP制度への移行

これまで、太陽光発電による電気を売電する際はFIT制度が適用されていましたが、2022年4月からはFIP制度が開始され移行が進んでいます。

FIP制度は市場価格にプレミアムを上乗せした価格で電気を買い取るというもので、FIT制度のように常に固定ではなく、その時点の市場価格と連動しているという点が異なります。そのため、普段は蓄電池を併用して電気を蓄えておき、価格が上がったときに売電することでさらに利益を拡大することが可能です。FIT制度による買取価格が下落しているため、FIP制度に移行してより戦略的に売電を進めていくのも選択肢のひとつといえます。

太陽光発電売電については、以下の記事で詳しく説明しています。ぜひあわせてご確認ください。

※「#36太陽光発電売電」へのリンク入ります

太陽光発電には新たな魅力が生まれている

太陽光発電の買取価格は年々減少しているのが現状ですが、昨今の電気料金の高騰や設置コストの低下などを踏まえると、新たな魅力が生まれているのも事実です。また、環境への意識は今後さらに高まることを考えると、マンションの価値を高めてくれることも見逃せないポイントといえるでしょう。