SDGsの時代に必要な、太陽光発電関連資格5選
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丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している

地球環境の保護や発展途上国への支援など、SDGsに取り組む企業が増加傾向です。なかでも自然エネルギーの代表ともいえる太陽光発電は、これから急速に普及することが予想されます。その場合、問題になるのが太陽光発電事業に必要な人材の確保です。そこで、SDGsの時代に必要な太陽光発電関連資格を5つ紹介します。

太陽光発電の急速な普及に対応するには

経済産業省は、2030年に向けてエネルギーミックス政策を推進しています。同省が発表した「長期エネルギー需給見通し」という資料によると、2030年度における電源構成比と、構成比内の再生可能エネルギーの割合を下記のようにすることを目標にしています。

【電源構成】
・再生可能エネルギー 22~24%程度
・原子力 22~20%程度
・LNG 27%程度
・石炭 26%程度
・石油 3%程度

【再生可能エネルギーの構成比】
・地熱 1.0~1.1%程度
・バイオマス 3.7~4.6%程度
・風力 1.7%程度
・太陽光 7.0%程度
・水力 8.8~9.2%程度
出典:経済産業省

2030年度のエネルギーミックス政策では、太陽光と水力が再生可能エネルギーで多くの比率を占めることが予測されています。太陽光発電は、クリーンエネルギーの代表として今後SDGsやESGを意識した企業での導入が増えそうです。こういった背景があるため、太陽光発電はビジネスとしても有力な分野になるでしょう。太陽光発電事業に進出するには、単に事業費だけでなく対応できる人材の確保が重要です。

技術者のほかに営業部員にも役立つ資格があるため、新たに人材を募集するだけでなく自社で有資格者を増やすことも一つの方法といえるでしょう。太陽光発電事業に必要な資格は「太陽光発電メンテナンス技師資格」「太陽光発電アドバイザー」のような顧客サポートやアドバイスに必要な資格と「電気工事士」「電気主任技術者」「認定電気工事従事者」といった、実際に工事を行う際に必要な資格があります。

それでは、各資格の概要をみてみましょう。

1. 太陽光発電メンテナンス技師資格

「太陽光発電メンテナンス技師資格」は、JPMA(一般社団法人太陽光発電安全保安協会)のサポート体制を受け長期にわたり顧客のメンテナンスサポートを行える資格です。太陽光パネルはメンテナンスフリーで従来は20年持つといわれていたものの、実際には5~6年で不具合が報告されているのが現状です。

今後も太陽光パネルの設置は、急速に増えることが予想されるため、それに対応するメンテナンスの需要も増加が見込まれるでしょう。太陽光発電メンテナンス技師資格のメリットは、太陽光発電業界での経験や保有資格がなくても取得できることです。

営業社員の場合、顧客にメンテナンスの必要性を説明する際に正しい知識をもっていなければなりません。資格認定講座では、必要な知識を幅広く実践に即して学ぶことができるため、検討してみるとよいでしょう。

2. 太陽光発電アドバイザー

日本住宅性能検査協会公式サイトによると「太陽光発電アドバイザー」は、以下のように定義されている資格です。

「主に一般住宅用太陽光発電システムの導入に際して、その専門的知識をもって消費者に対して適切な助言を行い、安心して太陽光発電システムを導入できるよう、また、導入後のトラブルを円滑に解決できるよう支援する」
出典:日本住宅性能検査協会公式サイト

太陽光発電アドバイザーを取得すると以下のように認められます

「特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会が認定する、太陽光発電システムの導入に関して生じうる諸問題について、消費者の相談に応えることのできる専門的知識を有することを客観的に認定された存在」
出典:日本住宅性能検査協会公式サイト

また太陽光発電アドバイザーは、法務大臣認証ADR機関となる一般社団法人日本不動産仲裁機構によって「法務大臣認証ADR基礎資格」として認定され、所定の要件を満たせば同機構の実施するADR(裁判外紛争解決手続)の調停人になることができます。

3.電気工事士

「電気工事士」は、ビルや工場、商店、一般住宅などの電気設備の工事を行える資格です。不良な工事によって発生する事故や災害を防ぐために定められた国家資格で、電気工事士の資格には第一種と第二種があり以下のように規定されています。

・第一種は、第二種の範囲と最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの工事に従事できます。
・第二種は、一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できます。
出典:一般財団法人電気技術者試験センター公式サイト

試験は、第一種・第二種とも四択方式でマークシートに記入する筆記試験と、実技による技能試験の2段階で行われます。

4.電気主任技術者

「電気主任技術者」は、発電所や変電所、工場、ビルの受電設備や配線など電気設備の保安監督として従事することができる資格です。電気設備を設けている事業主は、工事・保守や運用などの保安の監督者として電気主任技術者を選任しなければならないことが法令で義務づけられているため、需要は多い資格でしょう。

電気主任技術者の資格は、取り扱いできる電圧によって第一種~第三種まであり、以下のように規定されています。

・第一種は、すべての事業用電気工作物
・第二種は、電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物
・第三種は、電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く)
出典:一般財団法人電気技術者試験センター公式サイト

第一種と第二種は一次試験と二次試験があり、第三種は一次試験のみ行われます。

5.認定電気工事従事者

「認定電気工事従事者」は、最大電力500キロワット未満の需要設備(「自家用電気工作物」という)のうち、電圧600ボルト以下で使用する電気工作物の工事(電線路に係るものを除く)(簡易電気工事)に従事することができる資格です。受講できるのは、第二種電気工事士免状の交付を受けた人、または電気主任技術者免状の交付を受けた人です。

なお、以下 の人は電気工事技術講習センターの講習を受講しなくても直接産業保安監督部へ申請し、認定電気工事従事者認定証の交付を受けることができます。

・第一種電気工事士試験合格者
・第二種電気工事士免状取得後、電気工事に関し3年以上の実務経験を有する人
・電気主任技術者免状取得後、電気工作物の工事、維持若しくは運用に関し3年以上の実務経験を有する人
出典:一般財団法人電気工事技術講習センター公式サイト

資格取得費用一覧(税込、太陽光発電アドバイザー・電気工事士・電気主任技術者の受験料は非課税)

資格名種別費用取得方法
太陽光発電メンテナンス技師資格6万5,000円(※1)講習・試験
太陽光発電アドバイザー8,800円(※2)(※3)試験
電気工事士第一種1万900円(ネット) 1万1,300円(郵便)試験
第二種9,300円(ネット)9,600円(郵便)
電気主任技術者第一種・第二種1万2,400円(ネット) 1万2,800円(郵便)試験
第三種4,850円(ネット)
5,200円(郵便) 認定電気工事従事者1万2,500円(※2)講習

※1 太陽光発電メンテナンス技師資格の有効期間は3年で更新には期限内の更新手続きと5,500円(税込み)の費用がかかります。
※2 太陽光発電アドバイザーと認定電気工事従事者の費用は2020年度のものです。
※3 太陽光発電アドバイザーは資格登録に際し登録料が1万3,000円(非課税)別途かかります。

ここまで太陽光発電に関連した5つの資格について概要を見てきました。いずれもSDGsの時代には持っていて損のない資格です。就職のために取得するほか、既存の社員がキャリアアップのために取得するのもよいでしょう。政府の2030年を目指すエネルギーミックス政策を考えると、太陽光発電は息の長い投資先として今後も伸びていくことが期待できます。

企業だけでなく個人にとっても必要な太陽光発電関連資格の取得を目指すのは、時代に合った選択といえそうです。

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