東証インフラファンド指数とは?投資できる投資信託やETFはある?
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東京証券取引所に上場するインフラファンドについて、2020年3月から「東証インフラファンド指数」が算出・公表されています。インフラファンドが指数化されたことで今後どのような効果が期待できるのでしょうか。今回は、東証インフラファンド指数の概要や構成銘柄、連動する投資信託・ETFの設定などについて解説します。

東証インフラファンド指数とは?

東証インフラファンド指数とは、東京証券取引所に上場するインフラファンド全銘柄を対象とした時価総額加重平均型の株価指数のことで、基準日は2020年3月27日、基準値は1,000ポイントです。配当なし指数は15秒間隔のリアルタイム、配当込み指数は日時終値ベースで算出・配信され時価総額をもとに指数が算出されるため、時価総額の大きな銘柄ほど値動きに大きな影響を与えます。

東証インフラファンド指数の推移を確認すれば、国内のインフラファンド市場の動向を把握することが可能です。

インフラファンドとは

インフラファンドとは、投資家から集めた資金を一つにまとめ、太陽光発電設備などのインフラ施設に投資する金融商品です。投資から得られる収益は、投資金額に応じて投資家に分配されます。東京証券取引所に上場しているため、証券会社を通じて株式と同じように売買が可能です。インフラファンドの主な投資先となる太陽光発電には「固定価格買取制度(FIT)」があります。

国が20年間固定価格で電気の買取を保証していることが大きな魅力です。インフラファンドが電力会社に直接電気を売るのではなく、発電事業を行うオペレーターにインフラ設備を貸し出して賃貸料を得るビジネスモデルとなっています。長期にわたって安定した賃貸収入が期待でき、他の金融商品に比べて利回りも高い傾向です。

インフラファンドは10万円程度から購入できるため、少額から太陽光発電設備への投資をはじめることもできます。

東証インフラファンド指数の構成銘柄

2021年1月現在、東証インフラファンド指数は7銘柄で構成されています。構成銘柄の投資口価格、時価総額、予想分配金利回り(2021年1月15日時点)をまとめました。

コード銘柄投資口価格時価総額分配金利回り
9281タカラレーベン・インフラ投資法人11万5,800円約255億円5.92%
9282いちごグリーンインフラ投資法人6万3,300円約65億円6.03%
9283日本再生可能エネルギーインフラ投資法人11万100円約173億円5.81%
9284カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人13万1,000円約302億円5.65%
9285東京インフラ・エネルギー投資法人9万3,300円約103億円6.80%
9286エネクス・インフラ投資法人8万9,000円約310億円6.74%
9287ジャパン・インフラファンド投資法人9万2,600円約122億円6.29%

インフラファンドは、分配金利回りが高く予想分配金利回りは5~6%台です。まだ歴史が浅いこともあり他の金融商品に比べると時価総額はそれほど大きくありません。

東証インフラファンド指数の推移

東証インフラファンド指数の推移(2020年3月27日~2021年1月14日)は以下の通りです。

2020年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け3~4月にかけて株価や東証REIT指数などは大きく下落しました。東証インフラファンド指数も2020年3月に指数の公表が開始された当初は少し下げているものの、その後は上昇に転じて値動きは比較的安定しています。インフラファンドの主な投資先となる太陽光発電設備は、固定価格買取制度によって売電収入が保証されているのが特徴です。

設備を賃貸しているオペレーターから安定した賃貸収入を得られることから、順調に推移していると考えられます。

投資できる投資信託やETFはある?

東証インフラファンド指数が設定されたことで連動する投資信託(インデックスファンド)やETFに投資したい人もいるでしょう。しかし2021年1月19日現在、東証インフラファンド指数に連動する投資信託やETFは設定されていません。インフラファンド市場全体に分散投資をするには、各銘柄を個別に購入する必要があります。

東証インフラファンド指数の設定で期待できる効果

東証インフラファンド指数の設定で期待できる効果は、以下の通りです。

市場全体の動向を捉えやすくなる

指数が算出・公表されていないと、上場銘柄の価格推移を個別に確認しなくてはなりません。投資先を選定するだけなら問題ありませんが、インフラファンド市場全体の動向を確認したいときは不便です。東証インフラファンド指数が設定されたことで、市場全体の動向を捉えやすくなり投資判断がしやすくなるでしょう。

連動する投資信託・ETFの設定

東証インフラファンド指数が設定されたことで、今後は指数に連動する投資信託やETFが設定される可能性があります。東証インフラファンド指数をベンチマークとする投資信託やETFが設定されることで、少額からインフラファンド市場全体への投資ができるようになるでしょう。また投資信託やETFの設定によって取引に参加する投資家が増えれば、投資口価格や時価総額の上昇も期待できます。

機関投資家が参入する可能性

インフラファンドは、2021年1月時点では時価総額や流動性が小さく機関投資家の投資対象となるのは難しい状況です。しかし東証インフラファンド指数が設定されたことで取引金額や時価総額が増えれば、将来的に機関投資家の投資対象となる可能性があります。インフラファンドは、世界的な潮流となりつつある「ESG投資」の一つでもあり機関投資家にとって魅力的な投資先の一つとなるかもしれません。

機関投資家が参入すれば取引が活発になって、さらなる市場規模の拡大が期待できます。

インフラファンドの知名度の向上

インフラファンドは、分配金利回りが高く長期にわたって安定した収益が期待できます。しかしまだ新しい商品のため、株式など他の金融商品に比べて知名度は低いのが現状です。東証インフラファンド指数が設定されたことで知名度が向上し、取引に参加する投資家が増える効果が期待できます。

東証インフラファンド指数の今後の課題

インフラファンドは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を背景に、オペレーターから安定した賃貸収入を得られます。その仕組みはJ-REITと似ていますが東証REIT指数とは時価総額に大きな差があります。J-REITの時価総額は、2020年12月時点で約14兆4,000億円(2020年12月時点)、一方でインフラファンドは2021年1月15日時点で約1,334億円です。

インフラファンド市場の活性化には、知名度の向上や取引参加者・上場銘柄数の増加に取り組み時価総額を拡大していくことが必要となります。日本は、菅首相が所信表明演説時、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」を宣言しました。インフラファンドは、主な投資先が太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー発電設備です。

そのため脱炭素社会の実現を目指すうえでも魅力的な投資先といえるでしょう。機関投資家が取引に参加していないうちに、将来の市場規模拡大を期待してインフラファンドへ投資することも選択肢の一つです。

まとめ

東証インフラファンド指数が設定されたことでインフラファンド市場全体の動向を把握しやすくなりました。まだ時価総額は小さいものの今後は「指数に連動する投資信託・ETFの設定」「機関投資家の参入」などの効果も期待できます。投資対象の一つとして太陽光発電設備などに投資できるインフラファンドに注目してみてはいかがでしょうか。

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