太陽光発電投資
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本間貴志
本間貴志
ビジネス書・実用書専門の「アスラン編集スタジオ」の編集ライターを経てフリー。2015年より秋田県に移住、テレワークによる柔軟な働き方を実践中。

これから太陽光発電投資をはじめたい人は、基本情報として再生可能エネルギー全体の動きや種類ごとの違いについて押さえておくのがベストです。しっかりした知見を持っていることでビジネスの判断材料や参考になるでしょう。あわせてこの記事を読むことで、いくつかある再生可能エネルギーの種類の中から特に太陽光に注目すべき理由も理解できます。

再生可能エネルギーは太陽光を中心に急成長している

ISEP(認定NPO 環境エネルギー政策研究所)の調査によると、2014年の段階で日本の全発電量に占める再生可能エネルギーの割合は12.1%でした。その後、毎年着実に割合が増え続け2019年には18.5%を占めるまでに成長し5年間で6%以上も上昇しています。データで見ると再生可能エネルギー(自然エネルギー)の分野がいかに成長し続けているかが理解できるのではないでしょうか。

再生可能エネルギーには主に以下の5つの種類がありますが「大きく成長しているのは太陽光のみ」という点は注目すべきポイントです。再生可能エネルギーをテーマにビジネスや投資をしたい人は「再生可能エネルギーで伸びているのは太陽光」ということをしっかりと覚えておきましょう。

日本の全発電量に占める自然エネルギーの割合の推移

自然エネルギー2014年2015年2016年2017年2018年2019年
太陽光1.9%3.0%4.4%5.7%6.5%7.4%
風力0.47%0.50%0.54%0.61%0.69%0.76%
地熱0.24%0.25%0.22%0.21%0.22%0.24%
バイオマス1.5%1.5%1.9%2.0%2.2%2.7%
水力8.0%8.6%7.6%7.6.%7.8%7.4%

出典:ISEP「2019年の自然エネルギー電力の割合(速報)」※一部抜粋

太陽光は2014年の1.9%から2019年の7.4%と5年間で5.5%も伸びています。そのほか4種類の再生可能エネルギーについては、風力と地熱は5年間ほぼ横ばい、バイオマスは増えているものの5年間で1.2%アップと微増です。また水力は2014年の8.0%から2019年の7.4%と割合が減少しています。この結果から再生可能エネルギーの成長を支えているのは、太陽光といってもよいでしょう。

日本の再生可能エネルギーに追い風 「世界的な事情」と「国内の事情」

次に日本の再生可能エネルギーが成長している背景を確認します。再生可能エネルギーが成長しているのは時代の必然といえます。「世界的な事情」と「国内の事情」によって成長しているのです。

世界的な事情:「パリ協定」で低炭素化を強力に推進

世界ではCO2をはじめとする温室効果ガスの排出削減のための取り組みが進められています。その枠組みになっているのは、主要国が中心になって2016年に決めた「パリ協定」です。パリ協定では、石油・石炭などの化石燃料から再生可能エネルギーへ転換することで温室効果ガスを減らすことを強力に推進。世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2度未満に抑えることを目標に掲げています。

これを達成するため、それぞれの締約国ではエネルギー供給と使用に関して厳しい内容が定められているのです。日本も「パリ協定」の締結国のため、「2030年度に26%の温室効果ガスの削減(2013年度比)」という厳しい目標を掲げています。

国内の事情:エネルギー自給率の低さの改善が急がれる

国内で再生可能エネルギーに大きな注目が集まったのは、2011年に発生した東日本大震災がきっかけです。原子力発電に代わる安心して使えるエネルギー源として再生可能エネルギーを求める声が強まり、あわせて日本のエネルギー自給率の低さにも注目が集まるようになりました。2017年の日本のエネルギー自給率はわずか9.6%でOECD(経済協力開発機構)に加盟する35ヵ国中34位という低さです。

日本においての発電の中心となる火力発電で使う石油は、紛争などによりシーレーン(その国に重要な海上交通路)が封鎖されたら足りなくなるリスクがあります。これを回避するために再生可能エネルギーの比率を高めることが求められているのです。このような「世界的な事情」と「国内の事情」を踏まえると、日本が国全体で再生可能エネルギーを強力かつ長期的に推していくことは想像できるのではないでしょうか。

これは再生可能エネルギーでビジネス・投資をしようと考えている人にとっては追い風といえるでしょう。

Appleでも全社をあげて再生可能エネルギーを推進

温室効果ガス削減や再生可能エネルギーを推進することは、国レベルだけでなく企業レベルでも強力に進められています。例えばiPhoneでおなじみのAppleは現時点でオフィス、直営店、データセンターなどで消費する電力のすべてを太陽光などの再生可能エネルギーでまかなっているのです。さらにAppleは、iPhoneなどの生産や組み立てを行うすべてのサプライヤーに対し2030年までに再生可能エネルギーに切り換えることを求めています。

経済界全体で見ると2020年時点で再生可能エネルギーの取り組みは一部の企業にとどまっている傾向です。しかし今後大きく広がっていくことが予想されます。この流れも再生可能エネルギーでビジネス・投資をしようと考えている人にとってプラス材料です。

再生可能エネルギーの主な5種類 特徴と課題を整理

ここまでの内容で日本の再生可能エネルギーが盛り上がっていくことを感じることができたのではないでしょうか。最後に主に5種類ある再生可能エネルギーの特徴を整理していきます。再生可能エネルギーをテーマにビジネスや投資がしたい人にとって、興味があるのは伸び盛りの太陽光かもしれません。しかし、他の4種類の再生可能エネルギーについても知っておくことでビジネスチャンスにつながる可能性もあります。

太陽光・エネルギー源が太陽光なのでどのエリアでも得られる
・土地に設置する他、壁や屋根にも設置できる
・課題は、天気に発電量が左右されること
風力・大規模発電であれば火力発電並みに発電コストが安い
・昼間はもちろん夜間も発電できる
・課題は、導入できる場所が限定的なこと
バイオマス・光合成でCO2を吸収しながら成長するバイオマスが発電資源
・家畜の排せつ物や稲ワラなどが資源なので農村や漁村で行いやすい
・課題は、資源の収集・運搬・管理にコストがかかること
地熱・天気や気候に左右されず安定的な発電がしやすい
・設備をつくれば数十年にわたって発電できる
・課題は、開発にコストと期間がかかること
水力※地熱とほぼ同じ特徴と課題

参照:経済産業省・資源エネルギー庁「再生エネルギーとは」

エネルギー基本計画の達成は再生可能エネルギーの成長が鍵

ここで解説してきたことをおさらいしてみましょう。全発電量に占める日本の再生可能エネルギーは、2014~2019年の間に6%以上もアップして18.5%になりました。ただ種類別に見ると大きく伸びているのは太陽光で風力・バイオマス・地熱・水力などは横ばいまたは低下しています。太陽光を中心とする再生可能エネルギーは、今後も成長する可能性が極めて高いでしょう。

その背景には、世界の事情(パリ協定の目標達成)と国内の事情(原子力発電の代替エネルギーやエネルギー自給率)があります。また、前項で再生可能エネルギーの主な種類の違いを解説しました。例えば太陽光の特徴は「エネルギー源が太陽光なのでどのエリアでも得られる」などでした。日本の再生可能エネルギーが伸びているといっても国が掲げる「エネルギー基本計画」における目標比率は22~24%です。

2019年の18.5%とは未だに大きく開きがあるため、今後も国が再生可能エネルギーを強力に進めていくことは必定といえます。この流れをしっかり捉えて次のビジネスや投資の源泉としていきましょう。

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