アパレル,SDGs
(画像=mariia-korneeva/stock.adobe.com)

「SDGsの考え方には共感するけれど実感がわかない」という人も多いのではないでしょうか。しかし私たちの身近なところで持続可能な社会のための取り組みは進んでいます。ここでは、SDGsやサスティナビリティ(持続可能性)をブランドの核にしているアパレル系ブランドを紹介します。

ファッションでSDGsを身近に実感しよう

SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年に国連サミットで採択されたアジェンダに明示された17のゴールと169のターゲットからなる国際目標です。これらのゴールを達成することで2030年までに持続可能な世界を目指しています。国内でも数多くの企業がSDGsを推進していますが、ここでは日本で人気のアパレル系ブランドの持続可能な社会のための取り組みにフォーカスします。

アパレル系ブランドのSDGs・サスティナビリティ事例集

ユニクロ、無印良品、パタゴニア(日本法人)、ザ・ノース・フェィス、アーバンリサーチ、ヌーディージーンズなど6つの事例を紹介します。

SDGs事例1:ユニクロ

ユニクロは、幅広いテーマのサスティナビリティ活動を進めるアパレルブランドの一つです。取り組んでいるテーマは、以下のようなものがあります。

・リサイクル活動
・難民支援
・環境活動基金
・ソーシャルビジネス
・子ども・次世代教育
・緊急災害支援など

具体的な事例としては、服を通じた難民支援としてリサイクル活動で回収した服の一部を難民キャンプに寄贈し続けています。ただ一方的にアイテムを送るのではなく、難民キャンプごとの要望(種類や数など)を把握したうえで適材適所の支援を行っているのがポイントです。2020年8月現在で75ヵ国に約4,111万点が贈られています。またユニクロで回収した服のうちそのままでは再利用できない割合は約20%です。

これらは、固形燃料(RPF)や自動車用防音材などに加工されて再利用されます。こういったユニクロの活動を見るとリサイクルは回収した後の用途や管理体制が重要なことがよく分かるのではないでしょうか。

SDGs事例2:無印良品

無印良品は、自分たちを紹介するときにSDGsという言葉を積極的に使っていないように見えます。ただ同社のブランドコンセプトや実際の活動を見ると、結果的にSDGs推進企業になっていることは間違いありません。例えば無印良品では、SDGs的な活動を「100の良いこと」と表現し社員一人ひとりが地球・地域社会・働く仲間とつながり役に立つことを目指しています。具体的な事例は以下の通りです。

・化学肥料も農薬も使わないオーガニック栽培のコットンとリネンの採用
・生きている状態から採取されていないと認証されたオーストラリアダウンの使用
・再生コットン、再生ウールの推進
・無印良品とIDÉEによる高齢者施設のリノベーションプロジェクト
・千葉県鴨川市の里山保全
・千葉県南房総市の廃校跡地の活用など

SDGs事例3: パタゴニア(日本支社)

全般的にアウトドアブランドは、自然との共生がベースにあるためSDGsと親和性が高いです。その代表格はパタゴニアでしょう。同社の根幹には、創業以来自然環境の保全があることは有名です。パタゴニアでは、それを体現するため「売上の1%を世界中の環境団体に寄付をする」という活動をグローバルで展開し続けています。

パタゴニアというと海外アパレルブランドのイメージがありますが、日本支社が独自に持続可能な社会のための活動を主体的に進めている点もポイントです。パタゴニア日本支社の具体的な取り組みとしては「WORN WEAR®:新品よりもずっといい」を合い言葉にアイテムを修理・再利用することで顧客ができるだけ長く使える環境づくりに力を入れています。

あわせて一部店舗で太陽光発電による再生可能エネルギーづくりを進めたりオーガニックの食品販売などを行ったりしています。

SDGs事例4: ザ・ノース・フェイス

ザ・ノース・フェイスは、海外発のアウトドアブランドのイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし東証上場企業の総合スポーツ用品メーカー「ゴールドウイン」が展開するライセンスブランドの一つです。もとは、アメリカ西海岸を中心に1970年代から広がったアウトドアブランドでした。しかし1994年に米企業から日本と韓国の商標を買い取って以降、日本で独自に進化をし続けています。

持続可能な社会に取り組むアウトドアブランドとしては、前出のパタゴニアの存在感が強いですが、ザ・ノース・フェイスの本気度も高いです。その一端が同社では(アメリカブランドの)創業以来「食べることができない動物の毛皮は使わない」とのルールがあり日本ブランドでもこれにならっています。またザ・ノース・フェイスは、リサイクルやリユースにもいち早く取り組んでいてリサイクルダウンに2010年ごろから着手しています。

同社が創業以来こだわっている環境貢献活動には、リペア(修理)サービスの提供もあります。通常の使用でアイテムが破損したときにリペアセンターに送付すると修理してくれます。(有料・要件あり)

SDGs事例5: アーバンリサーチ

アーバンリサーチは「アーバンリサーチ」のブランド名を冠した複数のブランドを全国展開しカフェやレストラン、フラワーショップなども運営しています。2020年1月時点で年間売上高680億円、従業員数約1,500名のアパレルを軸にする企業です。アーバンリサーチのSDGsに関わる活動は多岐にわたりそのダイジェスト版ともいえる『2019年度SDGs活動報告書』は約20ページに及びます。

その活動の一部を紐解くとダウンのリサイクルでは、9ブランド268店舗に回収ボックスを設置し回収・再生を推進。その他アパレル業界では販売されずに廃棄されるアイテムの多さがフォーカスされますが、アーバンリサーチでは生産量の適正化に取り組んでいます。またサスティナブルやSDGsを推進していくためのプロジェクトチームの設立やローカルコミュニティーの発掘プロジェクトなども行っています。

番外編: ファッション雑誌『FRaU』

FRaU
(引用:講談社プレスリリース)

単体のアパレルブランドだけでなく最近ではファッション雑誌もSDGsやサスティナビリティをテーマに企画を組むシーンが目立ってきています。特にSDGs推しが女性ファッション誌『FRaU(フラウ)』の2019年1月号誌上で「1冊丸ごとSDGs特集」という野心的な企画を敢行。『FRaU SDGs 世界を変える、はじめかた。』という特集タイトルで注目を集めいくつもの賞に輝きました。

以降2020年7月時点でSDGs特集を4回組みSDGsといえば『FRaU』のイメージを確立。直近の2020年8月号のSDGs特集では、地球を抱えるハローキティを表紙に「世界の二酸化炭素濃度マップ」「RE:BORN!のんと、生まれ変わる服」などを企画しています。

事例6:ヌーディージーンズ

『FRaU』のSDGs特集で女優の“のん”さんが着用していたのがスウェーデン発のヌーディージーンズ。日本でも注目度の上がっているユニセックスブランドです。ヌーディージーンズは、持続可能性を追求するために「リペア」と「オーガニック」を全面に出してブランド展開をしているのが特徴です。まず「リペア」ですがヌーディージーンズのデニムはすべて無料修理の保証付です。

ヌーディージーンズでは、店舗をリペアショップと呼んでいるほど修理がブランドの核にあります。質の高いリペアサービスを提供することで顧客が愛用してもずっと使い続けられる環境を用意しているのです。とはいえいくら修理をしても服はいつか着られなくなります。リペアを繰り返して履けなくなったデニムは販売店で引き取られリサイクルジーンズや新しい商品に生まれ変わってまた流通します。

オーガニックのテーマでは、「2012年にすべてのデニムをオーガニックコットンにする」という目標を達成。その後、デニム以外のカテゴリのアイテムでもオーガニックコットンを採用しています。なおこのオーガニックコットンは、フェアトレードに対応するものを利用しています。

愛用しているブランドのSDGs活動をチェックしてみては?

ここでは、アパレル系ブランドのSDGs、サスティナビリティに関わる活動を紹介しました。これからの服は、そのブランドが持続可能性を追求し社会に貢献しているのかを含めて消費者に評価・選択される流れが強まりそうです。あなたが愛用しているアパレルブランドはSDGs活動に積極的でしょうか。一度チェックしてみてください。

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