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(画像=wladimir1804/stock.adobe.com)

ESG投資の認知が日本でも急速に高まっています。ESG投資とは環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)を重視する企業に投資する手法のことです。ただ実際に「どのようにESG投資をすればよいのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、ESG投資の対象となる株式銘柄の選び方を解説しつつ、具体的な株式銘柄についても紹介していきます。

ESG投資の対象となる株式銘柄の選び方

ESG活動に取り組む企業が急増しているため、対象となる銘柄は相当数あります。大半の上場企業が「ESG」「ESGと関連性が高いSDGs」「サスティナビリティ」などの取り組みをしている傾向です。それだけに本気でESGと取り組む株式銘柄(企業)をセグメントしなければなりません。具体的な選定方法として以下の3つの方法が考えられます。

選び方1. 報告書でESG活動をチェックする

「将来性を感じる」「割安感がある」など気になった企業のESG活動をチェックする方法です。近年は、数多くの企業がESG活動に関する報告書やレポートを発行しています。形態の一例は以下の通りです。

・単独のESG報告書として発行
・CSRやサスティナビリティ、SDGsなどとESGの統合報告書
・非財務情報(=ESG活動)と財務情報の統合報告書など

こういった報告書の多くは、企業の公式サイトで閲覧やダウンロードができます。

選び方2. ESG関連ニュースでチェックする

2つ目の方法は、経済メディアのニュースなどを通してESGのテーマとなる環境・社会・ガバナンスに関わる先進的な取り組みをしている企業を見つけて投資をするものです。例えば「環境に負荷をかけない画期的な技術を開発した企業に投資をする」といった具合です。ただし投資のため「開発した技術や製品のニーズがあるのか」「市場を開拓する営業力があるか」などのチェックは必要になります。

選び方3. ESG関連指数の構成銘柄をチェックする

3つ目の方法は、日本国内のESG関連指数の構成銘柄をチェックする方法です。国内のESG関連の指数としては「FTSE Blossom Japan Index」「MSCI ジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「MSCI 日本株女性活躍指数(WIN)」などがあります。 これら指数の公式サイトでは、構成銘柄が公表されているため、その中から魅力を感じる企業を選んで投資をしていくだけです。

ESG投資の株式銘柄7選

ここでは、実際に先ほど紹介した「ESG関連指数の構成銘柄をチェックする方法」を用いて株式銘柄を絞ってみました。今回利用したのは「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」です。この指数では、時価総額上位700銘柄などをベースにしながらESG評価に優れた企業を選定しています。さらにその中からESG格付けで最高評価の「AAA」の銘柄を7銘柄選びました。(2020年6月時点)

※本稿では、紹介する銘柄を推奨しているものではありません。投資は自己責任でお願いいたします

ソニー<6758>

ソニーのESG活動は、世界レベルで見ても高評価です。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルとESG評価を手掛けるアラベスク社が2020年10月に発表した世界の上場企業約5,500社を対象にした「サステナブル経営ランキング」で首位に輝きました。ソニーでは、5年スパンで達成すべき具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定し2050年の「環境負荷ゼロ」を目指しています。

例えば直近の目標「Green Management 2025」では、小型製品のプラスチック包装材を全廃、再生可能エネルギー電力使用の使用割合を決定などが掲げられています。

国際石油開発帝石<1605>

国際石油開発帝石は、原油・ガス開発生産の分野において国内最大手として知られています。同社ではESGに取り組むだけでなくESG関連データを誰もが手軽にチェックできるよう公式サイト上で公開しているのが特徴です。このデータ集はかなり詳細に網羅されているため、本気度を感じる内容といえるでしょう。

例えば温室効果ガスの排出量一つとっても直接的・間接的な排出量を示し要因別の排出量、国内・海外の排出量の推移を年度別に示しています。またコンプライアンスのデータ公開まで行っていて「内部通報窓口」や「相談窓口」の利用件数、「人権に関する研修の実施率」などに至るまで情報公開されています。

住友化学<4005>

住友化学は、総合化学の国内大手で医薬品や農薬、電子材料などの分野で強みを持っています。同社は2020年にグローバルなESG評価機関・エコバディス社のサスティナビリティ調査において「ゴールド」評価を獲得。加えてCDP「気候変動Aリスト2019」の最高評価の選定も受けています。これは、気候変動対応で特に優れた活動を推進している企業を評価するものです。

イビデン<4062>

イビデンは、創業1912年という歴史を持つ老舗企業です。現在のメイン業務はインテル向けのICパッケージ、このほか「スマホ用プリント配線板」「自動車用黒煙除去フィルター」などの分野でも影響力を持ちます。イビデンの特色は事業を推進することが、そのままESG活動の取り組みになることです。ICパッケージは、デジタルイノベーションの実現に貢献するものです。

また自動車用黒煙除去フィルターは大気の質の向上に寄与します。またもともと水力発電所からはじまった会社で現在も水力発電所を有していることから再生可能エネルギーとも親和性が高いです。

積水化学工業<4204>

太陽光発電を備えた戸建住宅などを展開するセキスイハイム(住宅事業)をはじめ「高機能樹脂」「環境・ライフライン」の3事業を展開。2019年に作成した企業ビジョンでは「ESG 経営を中心に置いた革新と創造」で社会課題を解決しながら売上高2兆円、営業利益率10%以上を目標にしています。

各エリアの販社や事業所単位で森林や里山保全、生き物観察会、清掃活動、植樹などを展開。地域に根ざしたきめ細かい活動をしているのが特徴的です。

ダスキン<4665>

ダスキンは、清掃用具レンタルをメインにフード事業のミスタードーナツのFCも展開中です。両事業ともにコロナの影響を受けましたが「落ち込みは想定以下(四季報)」の見込みとなっています。数多くのESG指数の常連ともいえる企業ですが際立つのは女性の登用です。2020年4月に生え抜きの女性社員が執行役員に昇格、 2020年6月から社外取締役3名のうち2名に女性を採用するなど多様性のある社内体制づくりを進めています。

オムロン<6645>

オムロンはヘルスケア関連企業のイメージが強い人も多いかもしれません。しかし稼ぎ頭の事業は制御機器です。オムロンが積極的に取り組んでいるESG活動の一つが建物の環境品質を維持しながら大幅な省エネを実現する「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」で、2019年に完成したオムロン野洲事業所 1号館では、環境配慮技術と自社製品を組み合わせて建物のエネルギー消費量を約5割削減し「ZEB Ready」認証を取得しています。

この1号館ビルでは、太陽光発電により同事業所の年間総売電量における約5%の電力を生み出すことが可能です。温室効果ガスの削減効果も大きく同社では「2050年の温室効果ガス排出量ゼロ」を推進しています。

各企業のESGの本気度をチェックするのがポイント

最後にESG関連銘柄を探すときの注意点です。投資家や消費者の注目度の高さから「ESGやSDGsに力を入れている」とアピールする企業が増えています。これはCSRが広まったときとよく似ているといえるのではないでしょうか。大手企業や上場企業が軒並み「私たちはCSRに全社を挙げて取り組んでいる」と宣伝したため、本当にどの企業がCSR に力を入れているのかが見えにくくなりました。

だからこそESG投資をする際は「ESGに力を入れている」といったメッセージだけを見るのではなくESGやSDGsの中身をチェックして本気度を確認していくことが必要です。

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