太陽光発電のPPA、リース、自社購入はどれが一番お得?メリット・デメリット比較
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本間貴志
本間貴志
ビジネス書・実用書専門の「アスラン編集スタジオ」の編集ライターを経てフリー。2015年より秋田県に移住、テレワークによる柔軟な働き方を実践中。

企業が太陽光発電を設置するときの方法としては、オンサイトPPAモデル、リースモデル、自社購入があります。これらのうち、どれを選ぶとベストかについては「その企業が何を重視するのか」によります。

ここでは、3つの設置方法それぞれの特徴とメリット・デメリットをわかりやすく解説します。御社にとってふさわしい設置方法を選ぶのにお役立てください。

太陽光発電の3つの設置方法 それぞれの特徴

企業が自家消費を目的に太陽光発電システムを自社の屋根や敷地に設置しようとしたとき、最近では「初期費用0円」という魅力があることから、オンサイトPPAモデルに着目するケースが多いのではないでしょうか。

たしかに、オンサイトPPAモデルの初期費用0円というのは大きな魅力です。しかし、太陽光発電システムを設置するときには、次の3つの方法があることを忘れてはいけません。

  1. オンサイトPPAモデル
  2. リースモデル
  3. 自社購入

大切なことは、「初期費用0円」という理由だけでオンサイトPPAモデルに飛びつかず、これらの3つの特徴、さらにはメリット・デメリットをしっかり把握することです。その上で「自社にとって本当にベストなのはどの方法か」を判断するのが間違いのない進め方です。まずは、それぞれの特徴を整理してみましょう。

方法1.オンサイトPPAモデルの特徴

オンサイトPPAモデルとは、電力を利用する企業や家庭が所有する建物の屋根・敷地にPPA事業者(発電事業者など)が太陽光発電システムを無償で設置する仕組みです。電力を利用する企業や家庭は、オンサイトPPAモデルの枠組みのなかで「需要家」と呼ばれています。

オンサイトPPAモデルは、太陽光発電システムの設置コストが発生しないので「初期費用0円」とよくPRされます。オンサイトPPAモデルは「第3者所有モデル」とも呼ばれ、維持管理費用もPPA事業者が負担するケースが多いです。

なお、オンサイトPPAモデルで自家発電しただけで足りない分の電力は、電力会社から購入してその企業に必要な電力をまかないます。

方法2.リースモデルの特徴

リースモデルとは、企業などの需要家の屋根や敷地内にリース事業者が太陽光発電システムを設置する仕組みです。オンサイトPPAモデルと同様、太陽光発電システムが初期費用0円で設置でき、維持管理費用もかかりません。

ここまでの説明で「オンサイトPPAモデルとリースモデルはほとんど同じではないか」と感じる人もいらっしゃるかもしれません。しかし、この2つのモデルはまったく別の仕組みです。

両者の大きな違いは「需要家と事業者の間で交わす契約形態」と「事業者に支払う料金形態」です。オンサイトPPAモデルの場合、「電力購入契約」に基づいて需要家は発電事業者に「電気利用料」を支払います。つまり、両者の間に交わされている契約内容をわかりやすくいえば、「敷地内に設置された太陽光発電システムで発電した電力を一定期間購入しますよ」という内容なのです。

一方、リースモデルの場合、需要家が発電事業者に支払うのは「リース契約」に基づいた「設備借受料とリース料金」です。あくまでも、需要家が発電事業者に支払っているのは設備を借りていることへの対価というわけです。

そのため、敷地内に設置された太陽光発電システムでつくった電力は需要家のものになります。この電力が余った場合、需要家は電力会社に売電して収入を得ることも可能です。

方法3 .自社購入

自社購入は、自社の責任に基づいて太陽光発電システムの施工やメンテナンスを行います。PPAモデルやリースモデルのような事業者の長期契約のくくりがないため、自由に売電して収入をあげられます。ただし、設備購入や維持管理などにかかる費用は、自社で100パーセント負担していかなければなりません。

太陽光発電の3つの設置方法 メリット・デメリットの違い

ここまでの内容で太陽光発電システムの3つの設置方法の違いはご理解いただけたと思います。しかし、これだけでは「自社がどれを選択すればよいのかわからない」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。

このヒントをつかむため、次に3つの設置方法(オンサイトPPAモデル、リースモデル 、自社購入)のメリット・デメリットを整理したいと思います。下記の比較表をご参照ください。

設置方法メリットデメリット
自社購入・余った電気を自由に売電できる
・長期的に見ると投資回収効率がよい
・初期費用がかかる
・維持管理費用がかかる
PPAモデル・一般的に初期費用なしで導入可
・維持管理費用がかからない
・資産計上なしで再エネ電気を調達可
・設備を勝手に処分できない
・長期契約の縛りがある
リースモデル・一般的に初期費用なしで導入可
・維持管理費用がかからない
・余った電気を自由に売電できる
・設備を勝手に処分できない
・長期契約の縛りがある
・資産計上する必要がある

「自社購入」と「PPAモデルorリースモデル」のメリット・デメリット比較

上記の比較表をもとにした一つ目の視点は、「自社購入」と「PPAモデルorリースモデル」の比較です。両者の違いは「初期費用と維持管理費用がかかるか否か」です。単純にこれらのコストを抑えたいと考える企業は「PPAモデルorリースモデル」を選んだほうがよいでしょう。

ただし、自社購入の自由に売電できるメリットも見逃せません。一定の売電量を確保できれば、自社購入を長期的に見たときに「コスト回収の効率がよい」仕組みともいえます。一方、リースモデルも自由に売電できますが、設備借受料とリース料金が割高なので、長期的に見たときのコストが自社購入を上回りやすいともいえます。

以上の内容をまとめると、短期〜中期のコストを抑えたい企業は「PPAモデルorリースモデル」との相性がよいですし、長期的なコストを抑えたい企業は「自社購入」との相性がよいということになります。

「PPAモデル」と「リースモデル」のメリット・デメリット比較

さらに、「PPAモデル」と「リースモデル」の違いを深掘りしていきたいと思います。両者の共通点は「初期導入費用と維持管理費用がかからない」というメリットがあることです。

これに対して両者の決定的な違いは、リースモデルには「余った電力を自由に売電できる」、PPAモデルには「資産計上をしなくても再生可能エネルギー由来の電力を調達できる」というそれぞれのメリットがあることです。

これらを踏まえると、資産計上を抑えながら再生可能エネルギー由来の電力を調達したい企業はPPAモデルを選ぶのがよいですし、余剰電力を売電して収益をあげたい企業はリースモデルとの相性がよいと考えられます。

最終的にサービス内容は業者によって変わってくる

ここでは太陽光発電システムを設置するときの3つの方法について解説してきました。 最近では、PPAモデルの注目度が一気に高まってきました。PPAモデルの魅力を一言に集約すれば、コストをかけず手軽に再生可能エネルギー由来のエネルギーを得られる、ということになるでしょう。

一方、「余剰電力を自由に売電したい」という企業は、ほかの2つの方法を選ぶのがよいでしょう。短期かつ中期の初期費用と維持管理費用で見るとリースモデルに分がありますが、長期的なコストパフォーマンスが高いのは自社購入です。

最後に注意点についてです。ここでお話ししてきたのは、一般的にいわれている太陽光発電システムの設置方法の違いです。最終的には事業者によってサービス内容が変わってきます。太陽光発電システムを検討・設置するときには必ず、契約内容の細部をチェックしてください。

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