クラウドファンディングで再生可能エネルギーに投資するメリット・デメリット、注意点を解説
(画像=kinako/stock.adobe.com)

太陽光などの再生可能エネルギーに投資する場合、クラウドファンディングを利用する方法があります。
クラウドファンディングなら少額から投資を始められますが、デメリットもあるため、利用する前に仕組みや注意点を理解しておくことが大切です。

今回は、クラウドファンディングで再生可能エネルギーに投資するメリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金調達ができるサービスです。

資金調達といえば、金融機関から融資を受けたり、ベンチャーキャピタルから出資を受けたりすることをイメージするかもしれません。しかし、金融機関やベンチャーキャピタルから資金調達するには、ある程度の実績が必要です。

クラウドファンディングを利用すれば、実績がない事業者でも資金調達ができるメリットがあります。クラウドファンディングは資金やリターンのあり方によっていくつかの種類があり、再生可能エネルギー関連ファンドに投資できるタイプ(投資型クラウドファンディング)もあります。

投資型クラウドファンディングの仕組み

主な投資型クラウドファンディングの種類は以下の通りです。

  • ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)
  • ファンド型クラウドファンディング

ソーシャルレンディングは、運営会社が投資家から集めた資金を一つにまとめ、借り手である事業者に融資する仕組みです。投資家には投資金額に応じた分配金(貸付金利)が支払われ、運用が終了すると元本が返還される仕組みになっています。

ファンド型クラウドファンディングでは、投資家は運営会社を通じて特定のプロジェクト(ファンド)に出資します。投資家にはファンド収益から分配金が支払われ、運用が終了すると元本が返還される仕組みです。

ソーシャルレンディングとファンド型クラウドファンディングの仕組みは似ていますが、規制対象の法律や投資家の収益源に違いがあります。

クラウドファンディングで投資できる再生可能エネルギーの種類

クラウドファンディングでは、太陽光をはじめとする5種類の再生可能エネルギーに投資できます。それぞれの特徴は以下の通りです。

太陽光

太陽光発電は、太陽光エネルギーを太陽電池によって直接電気に変換する発電方法です。エネルギー源が太陽光であるため、設置場所にあまり制限がなく、導入しやすいのが特徴です。クラウドファンディングにおいても、太陽光発電に関するファンドを多数取り扱っています。

大規模な太陽光発電所を建設するには多大な費用がかかるため、クラウドファンディングを利用して資金調達を行うケースがあります。

風力

風力発電は、風のエネルギーを電気エネルギーに変換する発電方法です。風力発電は電気エネルギーへの変換効率がよく、風さえあれば夜間でも発電できるのがメリットです。一方で、日本では導入可能な適地が限定されるため、欧米諸国に比べると導入が遅れています。

クラウドファンディングでは風力発電ファンドを取り扱っており、投資資金は風力発電事業の開発資金や運転資金として使われます。

バイオマス

バイオマスは、動植物などから生まれた生物資源の総称で、具体的には林地残材や家畜排泄物、生ゴミなどがあります。バイオマス発電では、これらの生物資源を燃焼したりガス化したりして発電します。

バイオマス資源を燃料とする発電は「京都議定書」の取扱上、二酸化炭素(CO2)を排出しないものとされています。また、従来は廃棄していたものを資源として活用できるため、地球環境の改善が期待できます。

クラウドファンディングではバイオマス発電ファンドを取り扱っており、投資資金は発電所開発にかかる権利や土地の取得などに使われます。

水力

日本は水資源に恵まれているため、水力エネルギーは昔から発電に利用されてきました。水力発電は電力の安定供給が可能で、一度発電所を作れば数十年の長期にわたって発電できるのがメリットです。水力発電といえば大きなダムが一般的ですが、近年は中小水力発電の建設が活発化しています。

クラウドファンディングでは、主に中小水量発電に関するファンドを取り扱っています。水力発電ファンドへの投資資金は、水力発電事業の運転資金などに使われます。

地熱

地熱とは、マグマによって温められた地球内部の熱のことです。日本は火山帯に位置することから地熱資源が豊富で、純国産エネルギーとして注目されています。昼夜を問わず安定した発電が可能ですが、公園や温泉などの施設が点在する地域と重なるため、関係者との調整が必要なのが課題です。

クラウドファンディングにおいては、他の再生可能エネルギーに比べると地熱発電ファンドの数は少ないのが現状です。投資型よりも寄付型のプロジェクトが多い傾向にあります。

再生可能エネルギーファンドのメリット

クラウドファンディングの再生可能エネルギーファンドのメリットは以下の通りです。

少額から投資を始められる

多くのクラウドファンディングでは、1万円程度から再生可能エネルギーファンドに投資できます。まとまったお金を用意しなくても、手元にある資金で気軽に再生可能エネルギーへの投資を始められます。

運用に手間がかからない

再生可能エネルギーファンドは定期的に分配金が支払われ、運用が終了すると投資資金が返還される仕組みになっています。価格が変動しないため、運用管理に時間や手間がかかりません。

固定価格買取制度(FIT)による安定した収益

固定価格買取制度(FIT)とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が保証する制度です。固定価格買取制度により安定した売電収入を得られるため、再生可能エネルギーファンドは利回りが高い傾向にあります。

個人では難しい再生可能エネルギーにも投資できる

太陽光発電は個人でも投資できますが、風力やバイオマス、水力などは発電所の規模が大きいため、個人が直接投資するのは難しいでしょう。クラウドファンディングを利用すれば、ファンドを通して少額からさまざまな再生可能エネルギーに投資できます。

再生可能エネルギーの普及に貢献できる

地球温暖化を抑制するには、温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーの主力電源化に取り組まなくてはなりません。クラウドファンディングで関連ファンドに投資することで、再生可能エネルギーの普及に貢献できます。

再生可能エネルギーファンドのデメリット

一方で、クラウドファンディングの再生可能エネルギーファンドには以下のデメリットがあります。

中途解約ができない

クラウドファンディングの取扱ファンドは、原則として中途解約ができません。運用が終了するまで投資資金を引き出せないので、手元資金が不足しないように注意が必要です。

元本保証ではない

クラウドファンディングの再生可能エネルギーファンドは、元本保証ではありません。電力開発事業がうまく進まず収益を得られなければ、投資資金が返還されない可能性もあります。

融資を利用できない

金融機関の融資を利用して太陽光発電に投資すれば、売電収入で借入金の返済ができるため、効率的に資産を増やせます。しかし、再生可能エネルギーファンドは融資を利用できず、全額自己資金で投資する必要があります。

太陽光発電投資と再生可能エネルギーファンドはどちらがいいのか

ここまで、クラウドファンディングによる再生可能エネルギーファンドの特徴を確認してきましたが、太陽光発電投資とどちらがいいのでしょうか。

少額から再生可能エネルギーに投資したい場合は、クラウドファンディングを利用するといいでしょう。1万円程度から投資可能で手間もかからないので、初心者でも気軽に始められます。

一方で、安定した収入源が欲しい場合は太陽光発電投資がおすすめです。まとまった金額の投資にはなりますが、金融機関の融資を利用すれば少ない自己資金でも始められます。また、固定価格買取制度により、長期にわたって安定した売電収入が期待できます。

ケースに応じて利用できる再生可能エネルギー投資

クラウドファンディングを利用すれば、個人でも少額から再生可能エネルギーに投資できます。再生可能エネルギーファンドは利回りが高く、地球環境の改善に貢献できるのが魅力です。ただし、安定した収入源を確保したい場合は太陽光発電投資を検討しましょう。

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